ジンジのお悩み相談室 #07 

人事職

ーお悩み内容ー
部下に、分かりやすく業務の説明をしたつもりでも
相手がすぐに動いてくれないことがあり困っています。
製造業 人事担当者(40代女性)

山口・久高
(久高:DiSC®認定ファシリテーター)

ー回答ー
信頼関係を構築したうえで、具体的に業務の説明をするのはもちろんのこと、コミュニケーションのズレを防ぐ工夫を取り入れることもおすすめです。
DiSC®︎理論の4つのコミュニケーションスタイルを理解し、相手に合わせて伝え方を変えてみましょう!

※本記事では、心理学者ウィリアム・M・マーストン博士の理論を起源とするDiSC®の考え方を参考に解説します。

「伝えているのに伝わらない」そのズレは、“受け取り方”の違いかもしれません

 「すぐに行動につながらず、やる気がないように感じる」「労いの言葉をかけているのに、相手の反応が淡白で響いていない感じがする」そんなお悩み相談がよく寄せられます。実は、伝え方が、“その人にとって受け取りやすい伝え方”になっていないからかもしれません。人によって、コミュニケーションの好みや傾向は異なります。同じ内容を受け取るにしても、「結論から聞きたい」「気持ちや背景を大切にしたい」「順を追って丁寧に説明してほしい」など、受け取りやすい形は人それぞれです。

「叱る」の目的は「相手の【能力】を引き出し、成長を支援すること」です。

 前提として、日頃の信頼関係が土台にあることは大切です。また、業務の説明では、“目的・期限・期待する行動”を具体的に伝えることが基本です。そのうえでワダチラボでは、DiSC®︎理論を用いて、相手のコミュニケーションスタイルに合わせて伝えることを提案しています。DiSC®︎理論では、人のコミュニケーションを4つのスタイルに分けて考えます。それぞれに優劣はなく、コミュニケーションの好みや傾向を表しており、“伝わりやすい表現”を探ることができます。

アメリカのJohn Wiley&Sons社にて開発された行動傾向分析・調査ツールです。1928年、心理学者のマーストン博士が「人間の感情に基づく行動傾向は大きく分けると4つのスタイルに分類できる」と提唱し、現在は年間100万人以上が診断し、世界中で広く活用されています。

  • Dスタイル(主導型)
    結果やスピードを大切にし、自分で判断したり、挑戦できる余地があると力を発揮しやすい傾向にあります。「まずはここを目指したい」「どう進めるかは任せるね」と、ゴールや目的を伝えたうえで、自分で考えて進められる余白があると動きやすくなるという特徴があります。自力でやってみたい気持ちが強く、単刀直入でポイントを絞った伝え方を好みます。一方で、回りくどい説明や細かすぎる指示は負担になりやすいです。
  • iスタイル(感化型)
     楽しさや人への影響力を大切にし、「やってみたい」と思えると動きやすい傾向にあります。「一緒にやってみよう」「あなたならできそう」と前向きに声をかけ、やり方をある程度任せると力を発揮しやすいという特徴があります。明るく期待を感じさせるような伝え方を好む一方、否定的な言葉や意見の押し付け、反応の薄さや細かい確認が続くと、やる気が出にくいです。
  • Sスタイル(慎重型)
     安心感や調和を大切にし、労いの言葉と一緒に落ち着いて丁寧に伝えられると動きやすい傾向があります。「まずはここまでで大丈夫です」「困ったら聞いてくださいね」とやわらかく声をかけ、途中も様子を見てもらえると安心するという特徴があります。穏やかな関わりやチームワークを好む一方、威圧的な態度や競争、関わりが少ないまま急に任されることには、不安を感じやすいです。
  • Cスタイル(慎重型)
     正確さや根拠を大切にし、「なぜやるのか」「どの順番で進めるのか」が分かると安心して動けるという傾向があります。「理由は○○です」「手順はこの順番です」と、目的・期限・範囲を具体的に伝え、質問できる時間を設けると納得しやすくなるという特徴があります。一方で、曖昧な説明や根拠のない話、急な変更、途中で口を挟まれることには戸惑いやストレスを感じやすいです。

あくまで統計に基づく傾向であり、人は4つのスタイル全てを持っていると言われています。
人によって食べ物に”好き”や”苦手”があるように、コミュニケーションにも”好き”や”苦手”があります。「なぜ分かってくれないのか」ではなく、「この人にはどんな伝え方が合うだろう?」と考えることが大切です。伝え方を相手の好みのスタイルに寄せるだけで、反応が大きく変わってくるかもしれません。