ジンジのお悩み相談室 #06 

人事職

お悩み内容
部下の仕事ぶりを叱りたいが、
すぐに「辞める」と言いそうで叱れない。
配送業 人事担当者(50代男性)

業務に慣れてきた部下が、提出する書類に誤記載が多いなど気が緩んだ姿勢が見られるため、一度叱りたいと考えています。しかし、叱り方も分からず、周囲からは「叱るとすぐに辞めてしまうよ」と言われてしまい困っています。

久高

回答
「叱る」のは、相手の成長を促す行為。
信頼関係を築いた上で、【事実を切り取ること】で、相手が「何に」叱られたのかを明確にしましょう!

 研修で「褒めるのが得意な人?」と尋ねると数人が手を上げるのに対し、「叱るのが得意な人?」と尋ねると、まったくと言っていいほど手が挙りません。さらに「叱ることが難しい」ということもよく聞かれます。それは「叱る」という行為が、「何のために行われているのか?」を理解していないからかもしれません。今回は3つに絞って、叱る上でのポイントをお伝えいたします。

「叱る」の目的は「相手の【能力】を引き出し、成長を支援すること」です。

 能力は持ち合わせている人材にもかかわらず、その能力を発揮していない時に用いられる行為に「叱る」があります。混同されがちな言葉に「怒る」があります。デジタル大辞典泉によると、「不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表す」行為と記されています。
つまり、「叱る」が「相手のため」なのに対して、「怒る」は「自分のため」に行う行為なのです。

 相手のためを思って行う「叱る」は、相手に伝わらないと意味がありません。ともすると、「怒っている」と勘違いされてしまう恐れもあります。

相手に伝えるためには、「何に対して叱られているのか?」を明確にする必要があります。その為には、「事実」を切り取ることを意識しましょう。

相談者さんの場合、「しっかりしてよ!」と部下を指導しても、その部下は、何に対して「しっかりして!」と注意されているかが分からず、修正することもままなりません。しかし上司から「この書類にはミスが5つあった。このミスで、他の人の仕事に影響が出てしまい、私も残念に思う。だから、提出前には必ず確認作業をしてほしい」と言われたらどうでしょうか?


上司の指摘は「ミスをなくすための確認作業をする」であることが明確になり、部下も何に対して叱られているのかすぐに理解することができます。

 このように「叱る」には、「事実」+「周囲への影響」+「発言者の感情」+「指導」といった方程式があります。先ほどの事例を分解すると、下の図のようになります。

 但し、この方程式を使ったところで、相手との信頼関係が無ければ、その言葉は一切相手に届きません。そのため、相手との信頼関係を構築した上で、事実を切り取るようにしましょう。


そして、叱る前にはきちんと「お疲れ様!少し時間いいかな?」とクッションを置くこと、叱った後には「期待しているから、頑張ろうね!」と、ポジティブな声掛けで始め、締めるように意識してみてください。

「叱る」行為は、相手に能力があることを信じているからできるものです。相手に成長してほしいなら、「感情」からではなく、「事実」から伝えるようにしましょう!

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